染矢敦子ブログ Tender wind

歌 家族 犬 日々感じること

ひいおばあちゃんの3つの教え

f:id:chumpeace:20191011163324j:plain


今日は、いのちのコンサートで話す、ひいおばあちゃんのことを書こうと思います。

 

 

おばあちゃんの家は小学校の割と近くにあり、友達と寄ったりすることもありました。縁側に座って、スティックのミルキーを初めて食べて、すっごく美味しくて感動したことを今も覚えています。

広いお庭には、スイトピーがたくさん咲いていました。あの頃、おばあちゃんは一人暮らしで、今思うとお庭の手入れも一人で丁寧にしていたんですね。たくさん実のなっていたビワや、大きく咲いたアマリリスも覚えています。 

  

おばあちゃんは、いつも元気。100歳すぎても一人暮らしをしていたんです。 101歳のお正月「ばあちゃん、今年も元気でいてね」と言うと 「いつの間にか、こんな歳になったなあ。けど、まだ今年は死なんような気がするわあ」と、顔をくしゃくしゃにして笑っていました。自分で家事をして、ウォーキングをして、ボランティアでお守りを作ったりしていました。 することがあること、日に当たること、運動すること、手先を動かすことも、健康のひけつですよね。

 

103歳、おばあちゃんが入院したと連絡があり帰省しました。病室に入り、目があった途端、おばあちゃんは満面の笑みを浮かべました。色んな人が会いに来たけれど、それが入院して初めての笑顔だったそうで「こんな子供みたいな顔…久しぶりに見たわあ」と娘である祖母が驚いていました。何で、私なんだろう?と不思議に思いました。特に仲が良かった訳でもないし、子供の頃の私は笑わなかったし、正当なことを言うので可愛げもなく、親戚にも煙たがられていたはず。もしかすると、おばあちゃんの前では笑っていた、かわいいひ孫だったのでしょうか。歌い続ける中で思うようになった、会うだけで笑顔になれる、そこにいるだけで温かい気持ちになる、そんな人になりたい。その思いが届いていたのでしょうか。

 

「あっちゃんの歌は、良いらしいなあ。聴けんかったなあ。」 おばあちゃんは言いました。 おばあちゃんに歌を聞いてもらいたい! うちの家族は厳しく、 病室で歌うなんて許されません。 だから一旦、家に帰って、もう一度こっそり一人で病室に行って歌を聴いてもらいました。

 

おばあちゃんは涙ぐんで「まさか、あっちゃんの歌が聴けると思わんかった。ありがとう。」と言ってくれました。

「お正月いつも楽しみにしてた、おばあちゃんの栗。栗を潰して丸めて、回りにカリカリのトゲトゲがあったの大好きだったよ。一番好き。今でもあんな美味しい栗は食べたことないよ」と子供の頃の話をすると「覚えててくれたんでー」ととても嬉しそうに笑いました。 「あっちゃん、美味しく食べれるのは幸せなことなんで」「勉強はずっとしていかんといけんよ」「真剣、良い歌を歌って行って下さい。103歳のばあちゃんが言ってたってな」そんなことを言いながら、おばあちゃんは、握った手に力を込めました。思った以上に強い力でした。 とても大切なことを伝えてくれている、私はその言葉を忘れないように心に刻みました。 

  
それが、おばあちゃんと会った最後の日になりました。大好きな祖父と最後に会った日も、最初で最後、私の作った歌を聴いてもらって「良かった。頑張れ」と言ってもらいました。その時もこっそりおじいちゃんのところに行って歌を聞いてもらって、手を握り合いました。反対されても、怒られても、今じゃなきゃ、そんな時があります。

お通夜にまた帰省して、穏やかなおばあちゃんの顔に会いました。その席で、子供の頃から、ずっと私が悪い、だめな子なんだと思っていたことが、そうじゃない、逆だったんだと分かった出来事がありました。おばあちゃんからの最後のプレゼントのようでした。


 *

 

ひいおばあちゃんの3つの教え

 

美味しく食べれるのは幸せなこと

勉強はずっとしていかんといけん

真剣、良い歌を歌っていって下さい


1.当たり前の日々に感謝して 

2.成長することを忘れず

3.自分に出来ることで人様のお役に立ちなさい

 

最近、その3つ目は「好きなことを楽しむ」という意味も含んでいるのかなと思うようになりました。ひいおばあちゃんの4つの教えですね。

 

ひいおばあちゃんに聴いてもらった歌です

        
『一期一会』
今日ここで出会えたこと
ありがとう ありがとう
一期一会のこの瞬間を
共に生きてる
ありがとう

また出会えると信じていよう

心を込めて 今ここを
楽しんでいよう 今ここを

今日ここで出会えたこと
ありがとう ありがとう
一期一会のこの瞬間を
共に生きてる ありがとう
ありがとう ありがとう