五感をフルに使って - 歌詞を配らない理由 -
夫とスーパーで買いものをしている時のこと。お父さん、お母さん、小学校低学年ぐらいの娘さん家族が近づいてきました。お父さんの香水の匂いに、急激な吐き気と目眩に襲われました。それは、過去の恐ろしい思い出のある人と同じ香水の匂いでした。
ご家族が去るとすぐに吐き気は治まり、今の夫との生活に心を戻すと過去の記憶もすぐに去っていきました。
匂いってすごいですね。一気に過去に戻り、体まで反応する。ほんの数分でしたが強烈体験で、匂いって、体って、心って、すごいなあと考えると、ちょっと感動的でもありました。
音もそうで、もうこの世にいない大切な人の声ととても似た声を聞いて、胸がぎゅーっと閉めつめられて、記憶がぶわ〜っと蘇ったこともあります。
五感:視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚
五感をフルに使って生きたい
五感をフルに使って愛したい
ふとそんな言葉が浮かびました
そういえば…
コンサートで「歌詞を配ったらいいのに」そんな風に言っていただくことが時々あります。敬老会など、童謡を歌ってほしいとのご依頼がある場合は歌詞を配りますが、基本的に歌詞は配りません。やってみたことは何度もあるんですよ。実際にやってみて、私は配らないことを選びました。
頭で考えるより、感じてほしいと思うからです。
文字を追うって自分だけの世界だと思うんです。器用な人はできるかもだけど、私は何かを読みながら、他のことはできません。五感が閉じてしまう感じ?
だからコンサートでは顔を上げて、見えるもの、聞こえるもの、空気感、周りの人の雰囲気、そういうものを感じてほしい。一語一句、聴いてもらうより、感じてほしい。一期一会の出会い、共に過ごしている、今この瞬間を・・
五感とまでは行けないけれど
五感をフルに使って
心を開いて、心を柔軟に動かして
過去や今や未来を行ったり来たり
コンサートを楽しんでいただければいいなと思います♪