染矢敦子ブログ Tender wind

歌 家族 犬 日々感じること

尊敬する人

昨日は、私がもっとも尊敬する人、いのちのコンサートでは必ず話をする祖父の命日でした。

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書きかけの祖父と祖母の絵です。

今でも心でよく問いかけるし、2人を思い出すと温かく、幸せな気持ちになります。

 

 

祖母の短歌

娘である母に読んでほしいな。そんな気持ちで載せてみます。

 

腹水のたまりてむくむ足を引く夫と搗きたり正月の餅

夕方まで釣具の手入れをしてゐたる夫をおそひし突然の腹痛

歯をかみて怒るがごとく腹痛に悶ふる夫になすすべのなし

救急車に運ばれ五時間半の後夫の逝きたり吾を残して

母さんを頼むと娘に言ひたるが夫の残せし最後の言葉

一月六日日めくり暦そのままにめくる事なく夫の初七日

冷たき厨の空気かきまはし温めよと夫の求めし暖房機(アイム  ソーラー)

 

ふたたびを使ふことなき夫の碗 地(つち)に砕きぬ吾が手を持ちて

一人ゐるが気楽と思ひし日のありき逝かれて知りぬ夫の大きさ

病み多き吾を気づかひくれし夫を弔ふなぞと露おもはざり

痛み堪え殺してくれと言いし夫の遺影は吾に微笑みかくる

 

「敦子の手冷たいでせう」 と癌末期の祖父の手握りて孫は発ちたり

 

敬老会に剣舞本能寺を舞ひたるが最後となれり剣士の夫

癒ゆる日を待ちて幾年治療せしを肝臓癌に夫を奪はる

人の形を止めず崩るる夫の骨衰へを知るかくも無残に

帰えりませう声かけ胸に抱き上ぐる夫の骨のしみじみ軽し

納骨の明日と決まりし夫の骨抱きて泣きぬ八十歳のわたし

夜遅く歌書きをれば「寝らんか」と声かくる夫の声の聞ゆる

風花の舞ふこの夜は寒からん黄泉路をたどる髪うすき夫

 

 

私の歌の作った歌の歌詞も。

 

 

大好きな光景

 

時々つぶれそうになる

そんな時 貴方を想う

限りあるから輝くんだけれど

もう会えないなんて 悲しいね悲しいね

 

いつも背筋を伸ばして

ソフトハット お洒落な人だった 

 

足を引きずる彼女の横を同じ速さで歩く

眼差し 仕草 すべていたわりで

私の大好きな光景

 

「私が転けても  もうおこしてくれる人はいない」

泣き出す彼女に言葉は見つからない

曲がったことは許さなかった

家庭を何より大切にしていたね

 

出会えた幸福 別れの痛み

どちらが大きいのだろう

 

きれいな字を書く貴方の左で 彼女は歌を作った

笑顔と果物がいつもそこにあった

私の大好きな光景

 

足を引きずる彼女と貴方は 同じ速さで生きる

こんな二人になりたいと思う

私の大好きな光景  

 

作詞作曲:染矢敦子(Album 『Life』に収録)

 

 

この絵を完成させて、音源も新しく作って

どこかのタイミングでまたここに発表できたらいいなと思っています♪

今年中を目標に(^-^) 

 

 

旧ブログにも

祖父と祖母のこと、色々書いてます。

そちらも良かったら読んでくださいね。blog.chumpeace.net